タリスアフターの一応の終着点!
これ以降もSSの投下はすると思いますが、アフターというカテゴリーではこれが最後になります。
追記から!
これ以降もSSの投下はすると思いますが、アフターというカテゴリーではこれが最後になります。
追記から!
10月3日・深夜。
子供たちもようやく寝付いてくれて、私は今夜何度目かの月を見ながら、ヒムカの帰りを待っていた。
何かあったのか心配になるほど遅い。
「(…今日が何の日か、忘れたわけじゃないだろう?)」
そう心中で呟きながら、左手の指輪を撫でた。
そこへ。
「ただいまー…」
「お帰り、何事もなかったか?」
少しばかり疲れた様子のヒムカにそう声をかける。
聞けば、残務処理が多くてこの時間になってしまったそうだ。
子供たちの寝顔を見ながら、「今日だけはちゃんと二人が寝る前に帰ってきたかったのにな」とこぼす。
「その…疲れているところ悪いんだが、あの、少し、外に出ないか?」
「…それはデートのお誘いってことでいい?…喜んで」
とはいえ、食事もまだのうちから街に出るわけにもいかないので、庭先に出て夜空を見上げた。
空は冬特有の澄んだ空気に変わりかけていて、月と星が目に眩しいほど。
あぁ…そうだ。
「(これを、もらった夜も)」
こんな夜だった。
左手を空にかざせば、はめられた銀環の輝きはまったく鈍らないまま月光を照りかえす。
「……なぁ、ヒムカ?」
「何?」
こうして寝食をともにするようになって、一年が過ぎた。
少しずつ、彼から与えられる愛情への応え方も分かって来た。
まだ、それを表に出すことへの気恥ずかしさは抜けないけれど。
「…この1年、色々あったな」
「…うん」
「お前に出会って、いろんなものが見えてきた」
「…うん」
「…それで、な?」
ぽすり。
軽く、その胸元に体を預ける姿勢になると、そのまま言葉を続けた。
「すごく、感謝してる」
「え…」
突然のことに驚いた様子を見せつつも、軽く私の後頭部に手を添える。
「お前からもらえる愛情で、少しずつだけど…素直になれるのを感じるんだ」
だから。
これだけは、顔をあげて…しっかり、彼の眼を見て言いたかった。
「……あの日…お前にこの指輪をもらった日…言えなかった言葉…今なら、言える気がする」
「タリス…?」
顔をあげた私は、どんな顔をしていただろう。
お前に初めて会った時より、少しでも綺麗に笑えていただろうか。
「…私も、愛してるよ」
……ちゅ
「あ、え?あの、タリス??」
少し、驚かせてしまっただろうか。
珍しく、月光の下でもわかるくらい真っ赤になった彼を見上げ、もう一言。
「お前と一緒に生きられて…すごく、幸せだ」
今だからじゃない。
昔の話を聞いたからでもない。
ずっと、一緒に生きていきたい。
…今度は、私が彼を幸せにする番だと思うから。
「…お前も、私も一緒に…幸せに笑える未来を、一緒に作りたい」
「…じゃあ、タリスの傍、離れないからね?」
ぎゅっと抱きしめあった私たちそれぞれの左手に光る銀環は、なおも涼やかな月の光を浴びて輝き続けていた。
……………
で、できた……。
ヒムカさんのアフターを読んで、タリスアフターの終着点はここにしようと決めていました。
最後に、タリスの口からちゃんとヒムカさんを愛してること、彼のおかげで幸せになれたことを言わせてあげたかったんです。
まだまだ妄想は続けていきますし作品も書くと思いますが、一旦ここで終幕となります。
どうか末永く幸せに。
子供たちもようやく寝付いてくれて、私は今夜何度目かの月を見ながら、ヒムカの帰りを待っていた。
何かあったのか心配になるほど遅い。
「(…今日が何の日か、忘れたわけじゃないだろう?)」
そう心中で呟きながら、左手の指輪を撫でた。
そこへ。
「ただいまー…」
「お帰り、何事もなかったか?」
少しばかり疲れた様子のヒムカにそう声をかける。
聞けば、残務処理が多くてこの時間になってしまったそうだ。
子供たちの寝顔を見ながら、「今日だけはちゃんと二人が寝る前に帰ってきたかったのにな」とこぼす。
「その…疲れているところ悪いんだが、あの、少し、外に出ないか?」
「…それはデートのお誘いってことでいい?…喜んで」
とはいえ、食事もまだのうちから街に出るわけにもいかないので、庭先に出て夜空を見上げた。
空は冬特有の澄んだ空気に変わりかけていて、月と星が目に眩しいほど。
あぁ…そうだ。
「(これを、もらった夜も)」
こんな夜だった。
左手を空にかざせば、はめられた銀環の輝きはまったく鈍らないまま月光を照りかえす。
「……なぁ、ヒムカ?」
「何?」
こうして寝食をともにするようになって、一年が過ぎた。
少しずつ、彼から与えられる愛情への応え方も分かって来た。
まだ、それを表に出すことへの気恥ずかしさは抜けないけれど。
「…この1年、色々あったな」
「…うん」
「お前に出会って、いろんなものが見えてきた」
「…うん」
「…それで、な?」
ぽすり。
軽く、その胸元に体を預ける姿勢になると、そのまま言葉を続けた。
「すごく、感謝してる」
「え…」
突然のことに驚いた様子を見せつつも、軽く私の後頭部に手を添える。
「お前からもらえる愛情で、少しずつだけど…素直になれるのを感じるんだ」
だから。
これだけは、顔をあげて…しっかり、彼の眼を見て言いたかった。
「……あの日…お前にこの指輪をもらった日…言えなかった言葉…今なら、言える気がする」
「タリス…?」
顔をあげた私は、どんな顔をしていただろう。
お前に初めて会った時より、少しでも綺麗に笑えていただろうか。
「…私も、愛してるよ」
……ちゅ
「あ、え?あの、タリス??」
少し、驚かせてしまっただろうか。
珍しく、月光の下でもわかるくらい真っ赤になった彼を見上げ、もう一言。
「お前と一緒に生きられて…すごく、幸せだ」
今だからじゃない。
昔の話を聞いたからでもない。
ずっと、一緒に生きていきたい。
…今度は、私が彼を幸せにする番だと思うから。
「…お前も、私も一緒に…幸せに笑える未来を、一緒に作りたい」
「…じゃあ、タリスの傍、離れないからね?」
ぎゅっと抱きしめあった私たちそれぞれの左手に光る銀環は、なおも涼やかな月の光を浴びて輝き続けていた。
……………
で、できた……。
ヒムカさんのアフターを読んで、タリスアフターの終着点はここにしようと決めていました。
最後に、タリスの口からちゃんとヒムカさんを愛してること、彼のおかげで幸せになれたことを言わせてあげたかったんです。
まだまだ妄想は続けていきますし作品も書くと思いますが、一旦ここで終幕となります。
どうか末永く幸せに。
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