後篇!
前篇にも前置きしましたが流血描写注意報です。
追記から!!
前篇にも前置きしましたが流血描写注意報です。
追記から!!
「そこまでだよ、その子は返してもらう」
「(…新手か…)」
いつの間にか現れた、『森』。
目の前に立つ男の作りだしたものなのだろう、まったく、この世界の住民はこういった手合いが多くて悩ましい。
「…返してもらう前に、ひとつ聞いておこうかな」
「…なんだ」
「その子をそんな風にしたのは、どっち?」
その子、というのは、先ほどザキが戦闘の末連れてきた、この少女。
彼女を傷つけた相手は絶対に許さない、そんな目腺だった。
それを気にも留めず、ザキが口を開いた。
「俺だよ、いくら可愛い女の子でも、ここは戦場だし、容赦する気はなかったしな」
「ふぅん…そう」
穏やかに、だが吐き捨てるようにつぶやくと、即座にザキとの間をつめる。
「…じゃあ、君も彼女と同じ痛みを味わうといいよ」
周囲の森から現れる草。
それが意志を持ったかのようにザキに襲いかかった。
カチリ。
先ほどの電気武装の起動音がする。
『森』の中に電気が走る。
それでも、やわらかな草が放電を受け流し、相手の男にはほとんど効いていないように見える。
「無駄だよ」
男の攻撃は緩まない。
ビシリ、と何かが叩きつけられる音がして、そのあとには、ザキが無残な姿で転がっていた。
「…さぁ、帰ろう、リリアン」
少女を抱えて退避しようとする男に、待て、と怒鳴る。
「女性にはあまり手を出したくないし、別に君はリリアンに手を出したわけじゃないから何の恨みもないんだけどなぁ…けど、リリアンを連れて帰れないのは俺も困るんだ、悪いけど、ちょっと眠っててよ」
ばさぁっ
「(…こ、これ、は……?)」
その植物の花粉を浴びた瞬間、意識がもうろうとする。
おそらくは、以前トージョウでも浴びたことのある、睡眠薬の類なのだろう。
だが、私は。
「(こんな、ことで)」
これ以上。
「(逃がす、わけ、には)」
薄れていく意識を必死に奮い立て、腰の軍刀に手を伸ばす。
チャキリ。
「(ここで終わりたくなど、ないっ…!!!!)」
「おわっ、て…たまる、かあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
瞬間、飛び散ったのは鮮血。
左の肩口を、自分の瞳と同じ色に染め、相手の男を睨みつけた。
「…正気?」
「ふっ……正気に、決まっているだろう……神経の、数…本、は…断裂、してる、だろう、が……その分、貴様の睡眠薬は…効かないっ……!!!」
「参ったなぁ…そんなに必死になられても困るんだけど…まぁ、そんな状態じゃまともに武器も取れないとは思うけどね…ここは退かせてもらうよ」
「くっ…」
言われた通りだ。
すでに左腕の神経は数本断裂しており、軍刀はおろか、ペンの一本を握ることすらかなわないだろう。
相手方に精神的なダメージを与えることには成功したようだが、だからといって、捕虜の少女も含めて取り逃がしたことに変わりはない。
「…にゃるぅ…」
「……ははっ…なんだ、お前…まだ、こん、な、ところに、いた、のか……?」
心配そうな眼でこちらを見つめてくるその猫のような獣を、驚かせて済まなかった、と撫でた。
…問題はザキか…。
三たび私にすり寄ってきた獣と共に、ザキが目を覚ますのを待って拠点に戻った方がよさそうだ。
……………
タリスの2本目でした!!
ザッキーさんとジムさん全面的に、あとシルエットだけリリアンさんお借りしました!!
催眠攻撃から目を覚ますために肩口ざっくり自分で斬るっていうのをやりたくて…!!!
以降、しばらくタリスは右腕のみで戦うことになります。
「(…新手か…)」
いつの間にか現れた、『森』。
目の前に立つ男の作りだしたものなのだろう、まったく、この世界の住民はこういった手合いが多くて悩ましい。
「…返してもらう前に、ひとつ聞いておこうかな」
「…なんだ」
「その子をそんな風にしたのは、どっち?」
その子、というのは、先ほどザキが戦闘の末連れてきた、この少女。
彼女を傷つけた相手は絶対に許さない、そんな目腺だった。
それを気にも留めず、ザキが口を開いた。
「俺だよ、いくら可愛い女の子でも、ここは戦場だし、容赦する気はなかったしな」
「ふぅん…そう」
穏やかに、だが吐き捨てるようにつぶやくと、即座にザキとの間をつめる。
「…じゃあ、君も彼女と同じ痛みを味わうといいよ」
周囲の森から現れる草。
それが意志を持ったかのようにザキに襲いかかった。
カチリ。
先ほどの電気武装の起動音がする。
『森』の中に電気が走る。
それでも、やわらかな草が放電を受け流し、相手の男にはほとんど効いていないように見える。
「無駄だよ」
男の攻撃は緩まない。
ビシリ、と何かが叩きつけられる音がして、そのあとには、ザキが無残な姿で転がっていた。
「…さぁ、帰ろう、リリアン」
少女を抱えて退避しようとする男に、待て、と怒鳴る。
「女性にはあまり手を出したくないし、別に君はリリアンに手を出したわけじゃないから何の恨みもないんだけどなぁ…けど、リリアンを連れて帰れないのは俺も困るんだ、悪いけど、ちょっと眠っててよ」
ばさぁっ
「(…こ、これ、は……?)」
その植物の花粉を浴びた瞬間、意識がもうろうとする。
おそらくは、以前トージョウでも浴びたことのある、睡眠薬の類なのだろう。
だが、私は。
「(こんな、ことで)」
これ以上。
「(逃がす、わけ、には)」
薄れていく意識を必死に奮い立て、腰の軍刀に手を伸ばす。
チャキリ。
「(ここで終わりたくなど、ないっ…!!!!)」
「おわっ、て…たまる、かあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
瞬間、飛び散ったのは鮮血。
左の肩口を、自分の瞳と同じ色に染め、相手の男を睨みつけた。
「…正気?」
「ふっ……正気に、決まっているだろう……神経の、数…本、は…断裂、してる、だろう、が……その分、貴様の睡眠薬は…効かないっ……!!!」
「参ったなぁ…そんなに必死になられても困るんだけど…まぁ、そんな状態じゃまともに武器も取れないとは思うけどね…ここは退かせてもらうよ」
「くっ…」
言われた通りだ。
すでに左腕の神経は数本断裂しており、軍刀はおろか、ペンの一本を握ることすらかなわないだろう。
相手方に精神的なダメージを与えることには成功したようだが、だからといって、捕虜の少女も含めて取り逃がしたことに変わりはない。
「…にゃるぅ…」
「……ははっ…なんだ、お前…まだ、こん、な、ところに、いた、のか……?」
心配そうな眼でこちらを見つめてくるその猫のような獣を、驚かせて済まなかった、と撫でた。
…問題はザキか…。
三たび私にすり寄ってきた獣と共に、ザキが目を覚ますのを待って拠点に戻った方がよさそうだ。
……………
タリスの2本目でした!!
ザッキーさんとジムさん全面的に、あとシルエットだけリリアンさんお借りしました!!
催眠攻撃から目を覚ますために肩口ざっくり自分で斬るっていうのをやりたくて…!!!
以降、しばらくタリスは右腕のみで戦うことになります。
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