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公式でアフターが来たので!!!!!便乗してタリスのアフター!!!!
全面的に
http://natsunosoda.kakuren-bo.com/Entry/7
こちらのイロさんのSSに便乗しております。
清々しいまでにヒムタリしかないですが、それでもよろしければ追記から!!!

……世界が元通り、散り散りになってから…はや一か月。
あの『反転』と言われる相手との戦闘で死亡、あるいは重傷を負った者は、どうやらISHの技術で蘇生・回復を遂げたらしい。
…つまりそれは、彼も回復したことを意味する。
事実、退院したらしい話は聞いていた。

…が。

ここ一か月の間、つまりあの日、病院で会ってから姿を見ていない。
彼に近しいであろう誰に聞いても行方は知れず、不安感だけが募って行った。

このまま、帰ってこないのではないか。
あの日、私に迎えに来ると言った言葉は嘘だったのか。
…もしかして、世界がもとに戻った時、一緒に…などと、最悪の予測が頭をよぎる。

「(……どこへ行った、ヒムカ)」

うまく言い表せない、とんでもない虚脱感。
軍人として、こんなことになっている場合ではないだろうに…体が動いてくれない。

そんな折、けたたましく鳴り響いた電話。

「あー…俺俺!!」

ブチッ

出る気になれず、衝動的に電話を切った。
電話口の声がヒムカによく似ていた、と思ってしまうほどには、声だけでも聞きたいと思っている自分に気づく。
…その直後、もう一度同じ音が鳴り響いた。

「…はい」

ここまで間髪入れずに電話を入れてくるということは、何か用事なのだろう。
若干けだるげに電話を取れば、それは。

「いきなり切るなって!俺だよ!!ヒムカ!!」

「馬鹿もの!!」

「…っって、うええ!!?」

誰にも何も告げず、一か月も行方をくらませておいて、こいつは本当に…何のつもりなんだろうか。
気づけば、電話口のヒムカを怒鳴りつけていた。

「貴様…今まで何処に…」

「あー…ちょっと、ね…ゴメン、心配した?」

当たり前だ、と言ってやりたい気持ちは十二分にあった。
…が、それより先に、一か月前と変わらない声に、口調に安堵し、体中の力が抜けてその場にへたり込む。
もう、すべてひっくるめて一度殴ってやらないと気が収まらない。

「理由はあとで話すからさ…とりあえず、ミナモの灯台に来て」

それだけを言い残し、電話は切れた。
ここ、フエンからはミナモまでずいぶんと距離があるが、日が落ちるまでには何とかたどり着けそうな時間だった。
取り急ぎ支度をして、ミナモまで向かう。

「(…あんなひと気のない場所に呼び出して…一体何だ…?)」

おそらくは、何か重要なことなのだろうと思いつつ、灯台へ。
そこに、変わらぬ様子でたたずむ、青。
海に暮れかけた逆光でも、その姿は確かにわかった。

「やぁ、タリス」

軽く手を挙げたその姿に、安堵感から涙がこぼれそうになるのを抑え。

パァン

「何で!?」

「馬鹿もの!!いったい、どれだけの人を心配させて…!!」

聞けば、海軍には伝えたはずだ、という。
私の立ち回りが甘かったのか、それとも口止めでもされていたか。

「…あぁ、そうだ。これ…」

あの日、私の見舞いに来た時に開けて見せた、緋色の小箱。
中に入っているのは。

「…これ、ホウエンに落としちゃってて…探したんだ。世界に一つしかない指輪だからね」

確かに、あまり見ない装飾だった。
私の指に驚くほどにぴたりとはまったのも疑問だった。
ヒムカの言意ははかりかねるが、本当の意味でこれは…世界に一つの指輪、なのかもしれない。

そんなことを思っていたら、目の前のヒムカの表情はいつになく真剣で。

「タリス…俺と、結婚してくれませんか?」

瞬間、頭が真っ白になる。
私で、いいんだろうか。
こんな、『女』であることより、『軍人』であることを選び続けてきた、私で。

…が、そんな逡巡は許されないのだろうと、目の前で静かに私の答えを待つその表情を見て、思う。
そして…自分の気持ちに素直になった結果、私は首を小さく縦に振っていた。

小箱から指輪を受け取り、左手の薬指にはめる。
やはり私の指に吸いつくようにはまるその銀環は、いつしか昇りはじめた月に照らされて輝く。

それを見た彼の笑顔は、今まで見た彼のどんな笑顔より綺麗で。
…心から、幸せそうで。

「タリス」

「…な、何だ?」

まだ何か言う気なのかと狼狽した私にかぶせられた、言葉。

「愛してる」

「―――!!!!!」

その言葉を受けた私は、その左手を取って。

『預かっていて』と渡された、青い小箱から一回り大きめの指輪を出すと、薬指にはめ返して、そして。
そのまま、その手ごと、胸元に抱き込んだ。

「た、タリス?」

「…………察しろ、馬鹿もの…」

耳まで熱い。
私の顔は今、月明かりでもわかるほど、真っ赤に違いない。



それでも、こんな素直じゃない私には言えるはずがない。





「私も愛してる」なんて。









「幸せだ」なんて。





……………

ううう…打てた…便乗なのに長くなったよなんてこった!!!!!!
ちょっとね…愛してるって言われたあとのタリスの反応が書いてあげたくて!!!!!!

このあと、タリスは正式に軍を退役して家庭に入ります。
そのあたりのこともいろいろとSSに起こしていこうと思いますが、まずは一本目、プロポーズ受けるところまでをお送りしました!!

ヒムカさんお借りです!!
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電気蜘蛛は毒蛇の夢を見るか?
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