電気蜘蛛は毒蛇の夢を見るか？

アフター２本目!!
正式に辞表出す前にあと２本くらいやっときたいことがあって!!

追記から!!

「…なぁタリス？」

「何だ？」

あの夜から一夜明け、ふと、ヒムカからの疑問。

「タリス、これからどうすんの？」

…どうやら、軍のことを言っているらしかった。
私は正直、軍人としての生き方と女としての生き方を両立できるほど、器用ではない。
もとより、左目を失った時点で、身の振り方を考える必要があるとは思っていた。

それに。

「……退役、しようと思う」

国よりも守りたいものができてしまった私は、軍人として失格だろう。
流石にそんなこと、口には出せないが。

「…そっか」

ふと、私の左目にその目腺が向いたのは、気のせいだろうか。
そして、その目腺がやけに悲しげだったのも。

……………

「けど、ジギーさんからいきなり飲みに行こうとか珍しいじゃん」

「だな、訓練後ならまだしも」

先のヒムカとの問答の後、行きつけの飲み屋にザキとスガを呼び出した。
…辞表を出しに行く前に、こいつらには話しておきたかった。

「…少し、話があってな」

そう言って組み替えた手を、ザキにつかまれる。

「ちょっ、ジギーさんそれ!!!」

「あっ馬鹿っ…」

左手の指輪を見てすべてを察したらしいザキとスガは、やけににやけた顔でこちらを見ていた。
…こいつら、絶対ろくなことを言わない。
過去の経験則から、私の全神経が叫ぶ。

「なるほど？一か月探してたあいつは見つかったわけだ？」

「んで結婚ねぇ…ジギーさんが結婚…ねぇ…」

「うるさいお前ら!!!」

余計なことまで感づかれてしまったが、本題に入る。

「…あーっと…そんなことがあって、だな…退役、することにした」

『は!?』と二人から返ってくる声。
正直、予想外だったのだろう。
私は結婚しても軍人を続けると思われていたか。

「…ま、まぁいいけどなジギーさん口うるさいし？ちょっとは陸軍も静かになるんじゃね？」

「だな？俺も喧嘩売りに来るのがザキだけになって楽になるわ」

…こいつら…。
まぁ、こいつらに普通のリアクションを期待する私が間違いだった。
ある程度の寂しさは私にだってある。

それでも。

「…口うるさくて悪かったな、阿呆ども」

精いっぱいに強がりながら、グラスの酒を飲みほす。




……………

うおおお打てた２本目!!
ザキスガさんには退役することちゃんと先に言うんだろうなーって思っての一篇。
ちなみに前半部分は後々の伏線でｓ(((

ヒムカさんとザキスガさんお借りしました!!