アルの2本目になります!
ジーヴルさんと交戦後のお話。
セイラさんの記事に便乗です!!
追記から!!
ジーヴルさんと交戦後のお話。
セイラさんの記事に便乗です!!
追記から!!
あの『きし』と名乗った女性と交戦してから、どれだけの時がたっただろうか。
腕から一筋流れ落ちた血は、確実にその交戦の跡。
腕にもう一つ心臓があるかのように、どくん、と脈打つ。
「(…いたい)」
思えば、先ほど女性と交戦する前にはぐれてしまった相手とも、まだ合流できていない。
まだ精神的な部分が発展途上であるアルデラにとって、はじめての戦場で負った傷の痛みと、一人になってしまった孤独感からくる痛みを両方受け止めることは難しかった。
「(…アイおにいちゃん、どこにいっちゃったんだろう)」
きょろきょろと、負傷した腕をかばいながら周囲をうかがう。
また、あの『きし』という人たちが来たらどうしよう、という不安感も、少しあった。
何ぶん、研究所から出て戦闘行為を行うこと自体が、アルデラにとっては初めてなのだ。
自分を作ってくれたはかせや、おねえちゃんやおにいちゃんがいない状態で過ごすことも。
『アル、不安なら一緒に行こうか』
そう、声をかけてくれたアイおにいちゃん。
一人、という状況を経験したことのないアルデラにとって、これ以上なく心強かった。
それが途中ではぐれてしまい、この状況に置かれている。
「…アイおにいちゃん…」
「アル…?よかった、やっと見つけた」
一言、名前を呼んで。
自分に向かって飛んできた声の先を見る。
「…アイおにいちゃん…!!!」
「アル、大丈夫か?どこも痛いところh…!!!!!アル、怪我をしてるじゃないか…痛いか?」
目の前で狼狽する姿に、直感ながら、これ以上心配をかけてはいけないと判断する。
『心配』というのは、相手にかけたら相手を困らせてしまうものだ。
大好きなアイおにいちゃんを困らせるわけには、いかない。
「…へいき…アイおにいちゃんにあえたから、アル、げんきになったよ?」
そう、未だ血の流れる腕をかばって笑えば、その腕をぐっと掴まれる。
服の裾をビッと裂くと、それをアルデラの腕に巻いてくれた。
「無理はダメだ、こうしておけば少しすれば血が止まる」
「…うん…」
困らせたらいけないのに、困らせてしまった。
しゅん、と少しうなだれると、頭を軽くなでられた。
…その次の瞬間、空気が変わる。
「…アイおにいちゃん、どうしたの…?」
さっきまでの感じと違う、ぴりっとした空気を感じ取り、その顔を見上げれば、敵が近付いてきているかもしれないという答えが返ってくる。
「アイおにいちゃん、アルも…」
「いけないよ、アル」
今度はおにいちゃんの役に立ちたい。
そう思ったアルデラの言葉は、遮られた。
役に立てないのが、こんなにも辛い。
「アルは怪我をしているんだ、一足早く戻った方が良い」
「でも、それじゃアイおにいちゃんが…!!」
「私を信じてくれないのかい?問題ないさ、異国の旧来種共に敗北するなどあり得ない、我々ISHは……ISHの作品は科学の最先端なのだから」
さくひん、という言葉の意味はわからない。
もちろん、信じていないわけじゃない。
それでも、『うん』も『ううん』も口から出てこない。
そんな中、焦った様子でアイおにいちゃんが言葉を継ぐ。
「………アル、もし今戦って死んでしまったら誰にも会えなくなってしまうんだ。まだ幼い君には『死』がどういう現象かよく分からないかもしれない。だが、もうあまり時間が無い。あとで必ず戻るから、今は先に行っていてくれないか?」
アイおにいちゃんの言うとおり、『死』というものについてはよくわからない。
でも、自分がそうなったら、いやだと思う人がいることだけは、アルデラにもぼんやりと把握できた。
自分も、誰にも会えなくなってしまうのは嫌だ。
一人は、怖い。
「………………わかった」
ひどく長い逡巡のあと、アルデラは会えたばかりのアイおにいちゃんに背を向けて走りだす。
もう、困らせたくない。
だから。
「(…アルは、アルのたたかいをする)」
……………
なぜ便乗なのにこんなに長いんだろう!!
アイロニカさんお借りしました!!
本当…素敵なおにいちゃんが心配してくれて私はっ…!
腕から一筋流れ落ちた血は、確実にその交戦の跡。
腕にもう一つ心臓があるかのように、どくん、と脈打つ。
「(…いたい)」
思えば、先ほど女性と交戦する前にはぐれてしまった相手とも、まだ合流できていない。
まだ精神的な部分が発展途上であるアルデラにとって、はじめての戦場で負った傷の痛みと、一人になってしまった孤独感からくる痛みを両方受け止めることは難しかった。
「(…アイおにいちゃん、どこにいっちゃったんだろう)」
きょろきょろと、負傷した腕をかばいながら周囲をうかがう。
また、あの『きし』という人たちが来たらどうしよう、という不安感も、少しあった。
何ぶん、研究所から出て戦闘行為を行うこと自体が、アルデラにとっては初めてなのだ。
自分を作ってくれたはかせや、おねえちゃんやおにいちゃんがいない状態で過ごすことも。
『アル、不安なら一緒に行こうか』
そう、声をかけてくれたアイおにいちゃん。
一人、という状況を経験したことのないアルデラにとって、これ以上なく心強かった。
それが途中ではぐれてしまい、この状況に置かれている。
「…アイおにいちゃん…」
「アル…?よかった、やっと見つけた」
一言、名前を呼んで。
自分に向かって飛んできた声の先を見る。
「…アイおにいちゃん…!!!」
「アル、大丈夫か?どこも痛いところh…!!!!!アル、怪我をしてるじゃないか…痛いか?」
目の前で狼狽する姿に、直感ながら、これ以上心配をかけてはいけないと判断する。
『心配』というのは、相手にかけたら相手を困らせてしまうものだ。
大好きなアイおにいちゃんを困らせるわけには、いかない。
「…へいき…アイおにいちゃんにあえたから、アル、げんきになったよ?」
そう、未だ血の流れる腕をかばって笑えば、その腕をぐっと掴まれる。
服の裾をビッと裂くと、それをアルデラの腕に巻いてくれた。
「無理はダメだ、こうしておけば少しすれば血が止まる」
「…うん…」
困らせたらいけないのに、困らせてしまった。
しゅん、と少しうなだれると、頭を軽くなでられた。
…その次の瞬間、空気が変わる。
「…アイおにいちゃん、どうしたの…?」
さっきまでの感じと違う、ぴりっとした空気を感じ取り、その顔を見上げれば、敵が近付いてきているかもしれないという答えが返ってくる。
「アイおにいちゃん、アルも…」
「いけないよ、アル」
今度はおにいちゃんの役に立ちたい。
そう思ったアルデラの言葉は、遮られた。
役に立てないのが、こんなにも辛い。
「アルは怪我をしているんだ、一足早く戻った方が良い」
「でも、それじゃアイおにいちゃんが…!!」
「私を信じてくれないのかい?問題ないさ、異国の旧来種共に敗北するなどあり得ない、我々ISHは……ISHの作品は科学の最先端なのだから」
さくひん、という言葉の意味はわからない。
もちろん、信じていないわけじゃない。
それでも、『うん』も『ううん』も口から出てこない。
そんな中、焦った様子でアイおにいちゃんが言葉を継ぐ。
「………アル、もし今戦って死んでしまったら誰にも会えなくなってしまうんだ。まだ幼い君には『死』がどういう現象かよく分からないかもしれない。だが、もうあまり時間が無い。あとで必ず戻るから、今は先に行っていてくれないか?」
アイおにいちゃんの言うとおり、『死』というものについてはよくわからない。
でも、自分がそうなったら、いやだと思う人がいることだけは、アルデラにもぼんやりと把握できた。
自分も、誰にも会えなくなってしまうのは嫌だ。
一人は、怖い。
「………………わかった」
ひどく長い逡巡のあと、アルデラは会えたばかりのアイおにいちゃんに背を向けて走りだす。
もう、困らせたくない。
だから。
「(…アルは、アルのたたかいをする)」
……………
なぜ便乗なのにこんなに長いんだろう!!
アイロニカさんお借りしました!!
本当…素敵なおにいちゃんが心配してくれて私はっ…!
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