アルの3本目になります!
タリス編ほどではないですがぬるめの流血注意報。
追記から!!
タリス編ほどではないですがぬるめの流血注意報。
追記から!!
スガ、と名乗った男の人と別れ、はかせと二人で山を登っていた。
ひとりで出歩くんじゃない、と言われたのは、いつぶりだろう。
研究所の外に初めて出た時は、こうしてはかせが一緒に歩いてくれていた。
外には知らない人しかいなかったけれど、はかせが一緒だったから、さびしくはなかった。
「アル、まだ歩けるか?」
「…うん」
少し山道を登るたび、はかせがそう聞いてくる。
たくさん、心配してくれている。
アルデラには、それがうれしくもあり、なんだかはかせに心配ばかりかけているなぁ、という思いでもあった。
そこへ。
「おっと、そこのお嬢ちゃんと優男、ここから先へはとおさねぇよ?」
「これ以上の侵略行為は許しません!」
青い、変わった服を着たおじさんと、やっぱり変わった服を着た、足をけがしているらしい女の子。
二人とも、怒っている。
前に会った『きし』という人たちと違い、武器を持っていない。
いったい、どうやって攻撃してくるのかが分からない。
「アル」
「…うん」
はかせに促され、ブレスレットをカンッ、と鳴らす。
現れたのは、獣の両腕。
「おいおい…そっちのお嬢ちゃんは妖怪かなんかかぁ?」
「…私の娘に対してずいぶんな言いようだな…撤回してもらおうか」
ようかい、という言葉はよく分からないけれど、それを聞いたはかせは怒っていた。
それを言ったおじさんはやれやれ、と言って肩をすくめ、何枚か紙状のものを取り出した。
隣にいた女の子も、同じようなものを取り出す。
はかせが銃を構えるちょっと前に、アルデラに向かって水流が飛んできた。
この至近距離では、アルデラの脚力をもってしても回避が間に合わない。
はずだった。
アルデラは、この水流に直撃されるはずだったのだ。
なのに、その体はすごい力で跳ね飛ばされ、跳ね飛ばされた時に見たのは。
「はかせぇぇっ!!!!!!!」
自分がそこにいるはずだった場所に、はかせがいて。
自分がそうなるはずだったように吹き飛ばされて。
どん、という音と一緒に、土の上に転がるはかせの姿。
きっ、と相手をにらむ。
この距離なら、両方とも攻撃できる。
くるりと空中で器用に体制を変え、電気球を放つ。
「おまえたち……ころすっ…!!!!!!!」
めくらめっぽうに撃った電気球は、おじさんに掠ったらしい。
…大きな土煙。
変わらず鋭い眼光で相手をにらむアルデラを、とめたのははかせ。
「……アル…だめだ、ここは退くんだ」
「…でも、あいつら、はかせのこと…けが、させた…」
「いいから…お前まで怪我をしたらだめだ」
ぴしり、と強く言われ、煙にまぎれて逃げる。
……………
「…ここまで来れば…大丈夫だろう…」
土壁に体を預けるように座り込むはかせは、やっぱり怪我をしていた。
はかせは、腕がサイボーグの人たちのように機械になっている(とはいえ、あくまで生活用なのだが)。
けれど、あくまで生身の人間だ。
アルデラのように、培養液に浸かれば元通り、というわけにもいかない。
身近な人の『血』と言われるものを、初めて見た。
「はかせっ…はかせぇっ…!!!!」
ぽろぽろ
ぽろぽろ
自分の目から、とめどなくあふれてくるものが何なのか、アルデラは知らない。
ただわかるのは、はかせが自分を跳ね飛ばしてあの水流を受けて、怪我をして。
それが、ものすごく苦しくて、つらくて、出来るなら自分が代わってあげたくて…そんな感情。
『涙』を流すことなど、無いと思っていた。
他の人が涙を流すのは知っていたが、自分も流せるなど、考えたこともなかった。
だから、自分の目から流れるものが、周囲の人と同じ涙であるということを、アルデラは知らない。
「…泣くんじゃない、アル…私は大丈夫だから、ほら、一度研究所へ戻ろう…そこで、アルも傷の手当てをしなくては」
はかせはそう言って笑って、頭を撫でてくれる。
痛いはずなのに、笑っている。
いつもは、はかせが笑うのを見ると、嬉しくなった。
でも、今は少しも嬉しくない。
だからと言って、今の状態でははかせに余計な心配をかけてしまう。
「…けんきゅうじょにかえったら…はかせ、げんきになる?」
微笑を浮かべた首肯を受け取ると、アルデラはようやく立ち上がり、はかせの手を引いて研究所へと急いだ。
……………
うおおお打てた…きりのいいところの落とし所が分からず一本にしたら長くなりましたが!!!!
天草さん+樂花さんの親子さんとタッグバトル!
イズナさんが怪我を負ったため、アルはここで退却します。
ひとりで出歩くんじゃない、と言われたのは、いつぶりだろう。
研究所の外に初めて出た時は、こうしてはかせが一緒に歩いてくれていた。
外には知らない人しかいなかったけれど、はかせが一緒だったから、さびしくはなかった。
「アル、まだ歩けるか?」
「…うん」
少し山道を登るたび、はかせがそう聞いてくる。
たくさん、心配してくれている。
アルデラには、それがうれしくもあり、なんだかはかせに心配ばかりかけているなぁ、という思いでもあった。
そこへ。
「おっと、そこのお嬢ちゃんと優男、ここから先へはとおさねぇよ?」
「これ以上の侵略行為は許しません!」
青い、変わった服を着たおじさんと、やっぱり変わった服を着た、足をけがしているらしい女の子。
二人とも、怒っている。
前に会った『きし』という人たちと違い、武器を持っていない。
いったい、どうやって攻撃してくるのかが分からない。
「アル」
「…うん」
はかせに促され、ブレスレットをカンッ、と鳴らす。
現れたのは、獣の両腕。
「おいおい…そっちのお嬢ちゃんは妖怪かなんかかぁ?」
「…私の娘に対してずいぶんな言いようだな…撤回してもらおうか」
ようかい、という言葉はよく分からないけれど、それを聞いたはかせは怒っていた。
それを言ったおじさんはやれやれ、と言って肩をすくめ、何枚か紙状のものを取り出した。
隣にいた女の子も、同じようなものを取り出す。
はかせが銃を構えるちょっと前に、アルデラに向かって水流が飛んできた。
この至近距離では、アルデラの脚力をもってしても回避が間に合わない。
はずだった。
アルデラは、この水流に直撃されるはずだったのだ。
なのに、その体はすごい力で跳ね飛ばされ、跳ね飛ばされた時に見たのは。
「はかせぇぇっ!!!!!!!」
自分がそこにいるはずだった場所に、はかせがいて。
自分がそうなるはずだったように吹き飛ばされて。
どん、という音と一緒に、土の上に転がるはかせの姿。
きっ、と相手をにらむ。
この距離なら、両方とも攻撃できる。
くるりと空中で器用に体制を変え、電気球を放つ。
「おまえたち……ころすっ…!!!!!!!」
めくらめっぽうに撃った電気球は、おじさんに掠ったらしい。
…大きな土煙。
変わらず鋭い眼光で相手をにらむアルデラを、とめたのははかせ。
「……アル…だめだ、ここは退くんだ」
「…でも、あいつら、はかせのこと…けが、させた…」
「いいから…お前まで怪我をしたらだめだ」
ぴしり、と強く言われ、煙にまぎれて逃げる。
……………
「…ここまで来れば…大丈夫だろう…」
土壁に体を預けるように座り込むはかせは、やっぱり怪我をしていた。
はかせは、腕がサイボーグの人たちのように機械になっている(とはいえ、あくまで生活用なのだが)。
けれど、あくまで生身の人間だ。
アルデラのように、培養液に浸かれば元通り、というわけにもいかない。
身近な人の『血』と言われるものを、初めて見た。
「はかせっ…はかせぇっ…!!!!」
ぽろぽろ
ぽろぽろ
自分の目から、とめどなくあふれてくるものが何なのか、アルデラは知らない。
ただわかるのは、はかせが自分を跳ね飛ばしてあの水流を受けて、怪我をして。
それが、ものすごく苦しくて、つらくて、出来るなら自分が代わってあげたくて…そんな感情。
『涙』を流すことなど、無いと思っていた。
他の人が涙を流すのは知っていたが、自分も流せるなど、考えたこともなかった。
だから、自分の目から流れるものが、周囲の人と同じ涙であるということを、アルデラは知らない。
「…泣くんじゃない、アル…私は大丈夫だから、ほら、一度研究所へ戻ろう…そこで、アルも傷の手当てをしなくては」
はかせはそう言って笑って、頭を撫でてくれる。
痛いはずなのに、笑っている。
いつもは、はかせが笑うのを見ると、嬉しくなった。
でも、今は少しも嬉しくない。
だからと言って、今の状態でははかせに余計な心配をかけてしまう。
「…けんきゅうじょにかえったら…はかせ、げんきになる?」
微笑を浮かべた首肯を受け取ると、アルデラはようやく立ち上がり、はかせの手を引いて研究所へと急いだ。
……………
うおおお打てた…きりのいいところの落とし所が分からず一本にしたら長くなりましたが!!!!
天草さん+樂花さんの親子さんとタッグバトル!
イズナさんが怪我を負ったため、アルはここで退却します。
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