第三回戦SS!ちょっと遅ればせながらタリスの一本目失礼します!!
時系列的にはもうちょい前のも投下するつもりですが、まずはこちらから。
先に投下されたイロさんのSSへの便乗になります。
流血描写ことごとく出てくるのでご注意を!!
苦手な方はくるりバックで!!!
追記から!!
時系列的にはもうちょい前のも投下するつもりですが、まずはこちらから。
先に投下されたイロさんのSSへの便乗になります。
流血描写ことごとく出てくるのでご注意を!!
苦手な方はくるりバックで!!!
追記から!!
…偵察で一度訪れた、シンオウという地域。
やはり、この絵本の中のような光景は二度目とはいえ見慣れない。
よくわからん生き物もいろいろいるし、そもそも、なぜ獣の顔をした奴が堂々と二足歩行しているのか。
一度の偵察では地理の把握も難しい。
途方にくれて周囲を見渡せば、いつのまにか周囲には、深い霧が立ち込めていた。
周辺は湿地帯のようだし、おそらくはそのせいだろう。
一緒にいたザキとスガも、今は自身の位置を把握するのに必死になっていた。
「あーくそ、どこがどこだか全然分かんねーよ、おいジギーさん、スガっち、一旦別動して、30分後に周辺把握の上ここに集合でどうよ?」
「お前にしちゃいいこと言うじゃねぇか、同感だ」
確かに、ここで3人で途方に暮れていても仕方無い。
私もザキの考えには概ね同感だ。
霧の中ではあるが、目立つ色で目印をつけ、三方へ散る。
敵方に気取られる懸念はあったが、周辺で戦闘行為が行われている様子はない。
30分程度なら何とか問題はないだろう。
……………
湿気は嫌いではない。
…が、こうもじっとりと絡みつかれると、若干だが気分が滅入ることは確かだ。
ぴちゃり。
地を踏みしめた足もとから響く、湿った音。
「(まだ、湿地が続いているのか…)」
周囲に敵影がないことを確認しながら(幸い、この地域の戦闘員はたいていの相手が軍服よりも装飾の込んだ服装をしているので見分けには困らなかった)、前へと進む。
少しずつ、霧が晴れていく。
そして。
その終着点。
ようやく鮮明になった視界を、私は恨んだ。
「(こんなもの、)」
霧のない、鮮やかな世界に私が見たものは、赤。
そして、その身を、その赤でまだらに染めた、青。
「(見たくはなかった)」
何の感情も抱いていないかの様な目が、その足元を見下ろしていた。
ちゃきり。
構えた黒の音。
それが、やけに澄んで聞こえて。
このままではいけないと思ったのが先か、声を上げたのが先か。
「ヒムカ!!」
そのままの体勢で、足元に向けていた視線だけをこちらによこす。
驚くほどに冷たく、無感情な目。
私が普段見ている『お前』は本当に『お前』なのかと疑いたくさえなるほどの。
それでも、止めないわけにはいかなかった。
構えた黒を仕舞ったヒムカに、私は二の句を継ぐ。
「…ヒムカ、貴様、今やってたことは何か分かってるのか!?」
ぽつり、と口を開いて出た、「何も」という言葉。
様々な感情がないまぜになり、言葉を発しようにも声にならない。
やっと、こちらに顔を向けて発した言葉は。
「タリスさん、要らないものは必要ないでしょ」
無理やりに普段の表情を作ろうとしているのか、それはヒムカ本人にしか分からない。
それでも、目の前にいる私のみに向けたのではないであろうその言葉は、私に向けた不自然な笑顔と相まって、堪らなく痛くて。
「(それでも)」
それ以上、何も言葉を継げず。
「(何も話してくれなかったら)」
ギシリ、と拳を握り締めて。
「(私だって、お前のことを理解してやれない)」
踵を返す。
「………できるなら、理解してやりたいのに」
そう小声でつぶやいた言葉は、風の音で消えたと願いたい。
………………
うおおお打てた!!!!
んなわけで便乗SSでしたなんだこれ長い!!!!!
直接何があったか聞いてるわけじゃないから、どうしても何を言ってやっていいのか、タリスにも分からないようです。
やはり、この絵本の中のような光景は二度目とはいえ見慣れない。
よくわからん生き物もいろいろいるし、そもそも、なぜ獣の顔をした奴が堂々と二足歩行しているのか。
一度の偵察では地理の把握も難しい。
途方にくれて周囲を見渡せば、いつのまにか周囲には、深い霧が立ち込めていた。
周辺は湿地帯のようだし、おそらくはそのせいだろう。
一緒にいたザキとスガも、今は自身の位置を把握するのに必死になっていた。
「あーくそ、どこがどこだか全然分かんねーよ、おいジギーさん、スガっち、一旦別動して、30分後に周辺把握の上ここに集合でどうよ?」
「お前にしちゃいいこと言うじゃねぇか、同感だ」
確かに、ここで3人で途方に暮れていても仕方無い。
私もザキの考えには概ね同感だ。
霧の中ではあるが、目立つ色で目印をつけ、三方へ散る。
敵方に気取られる懸念はあったが、周辺で戦闘行為が行われている様子はない。
30分程度なら何とか問題はないだろう。
……………
湿気は嫌いではない。
…が、こうもじっとりと絡みつかれると、若干だが気分が滅入ることは確かだ。
ぴちゃり。
地を踏みしめた足もとから響く、湿った音。
「(まだ、湿地が続いているのか…)」
周囲に敵影がないことを確認しながら(幸い、この地域の戦闘員はたいていの相手が軍服よりも装飾の込んだ服装をしているので見分けには困らなかった)、前へと進む。
少しずつ、霧が晴れていく。
そして。
その終着点。
ようやく鮮明になった視界を、私は恨んだ。
「(こんなもの、)」
霧のない、鮮やかな世界に私が見たものは、赤。
そして、その身を、その赤でまだらに染めた、青。
「(見たくはなかった)」
何の感情も抱いていないかの様な目が、その足元を見下ろしていた。
ちゃきり。
構えた黒の音。
それが、やけに澄んで聞こえて。
このままではいけないと思ったのが先か、声を上げたのが先か。
「ヒムカ!!」
そのままの体勢で、足元に向けていた視線だけをこちらによこす。
驚くほどに冷たく、無感情な目。
私が普段見ている『お前』は本当に『お前』なのかと疑いたくさえなるほどの。
それでも、止めないわけにはいかなかった。
構えた黒を仕舞ったヒムカに、私は二の句を継ぐ。
「…ヒムカ、貴様、今やってたことは何か分かってるのか!?」
ぽつり、と口を開いて出た、「何も」という言葉。
様々な感情がないまぜになり、言葉を発しようにも声にならない。
やっと、こちらに顔を向けて発した言葉は。
「タリスさん、要らないものは必要ないでしょ」
無理やりに普段の表情を作ろうとしているのか、それはヒムカ本人にしか分からない。
それでも、目の前にいる私のみに向けたのではないであろうその言葉は、私に向けた不自然な笑顔と相まって、堪らなく痛くて。
「(それでも)」
それ以上、何も言葉を継げず。
「(何も話してくれなかったら)」
ギシリ、と拳を握り締めて。
「(私だって、お前のことを理解してやれない)」
踵を返す。
「………できるなら、理解してやりたいのに」
そう小声でつぶやいた言葉は、風の音で消えたと願いたい。
………………
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