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こちらも4~最終戦の幕間SS!
だいぶ手前味噌ですが、2回戦でのゴタゴタでこのままではタリスが死んでしまうので和解という名のフラグ回収!
追記から!!

「……」

…強い思いも、

「……おまえのこと、こわす…!」

…強い願いも、

人を殺すに足るものなのだと、自分の首筋に獣の爪を這わせる少女の、強い目の光を見て悟る。

……………

ようやっと病院から退院することができ、久々に誰の許可なく外へ出た。
私が入院している間に、それぞれの地域の交流は回復し始めていたらしく、戦闘行為が行われている風はない。

「(…これが、嵐の前の静けさでないといいが)」

ひとつ、溜息をついて行く手を見れば、金色の髪の少女。
…見間違いでなければ、いつか、小島の横穴から侵入してきた少女だった。
やはりミュータントという生き物だからなのか、その時に食らったであろう瀕死の重傷は、今はもうすっかり消えているように見える。
彼女は、私の姿を認めると…その両腕を獣のそれに変化させて、そして。

ドスッ

「……!!!」

その外見からは想像もつかない力で、壁に押し付けられた。

「…おまえのこと、おぼえてる…!!!」

その目に宿ったのは、深い恨みと、

「…アル、おにいちゃんもおねえちゃんもまもる…!だからこんどは…おまえたちを、こわす…!!!」

それと同じくらい、いや、それを上回るほど強い、自分の『家族』を守りたいという意思。
彼女の腕が触れた軍服の襟の部分が、ぷすり、と嫌な音を立てて焦げるのが分かった。

……………

そして、現在に至る。
この少女の思いは理解できるし、私たちはこうされて当然のことをしたのだろうと思う。
…もとより、軍人として、周囲を『奪う』という側面がないとは決して言えないのだから。

…だが、私も死ぬわけにはいかない。
生き抜くと誓ったのだから。
この少女と同じように、私にも、守りたいものはあるのだから。

「…横穴でのことは謝る…もちろん、奴も『敵だから』これ以上の侵入を許すまいと攻撃したにすぎん…敵でなければ…お前にも、お前の家族にも、危害を加えるつもりはない」

「…」

「…私にも、お前と同じように守りたいものがある…ここで、殺されるわけにはいかん」

「…かためがなくても?」

「…ああ」

少女は分かっているのかいないのか、ふっ、と私から体を離した。
ヒトの姿に戻った手を、ぺたり、と私の左目に当ててくる。

「…こわれても、いきてる」

傷を負ってなお、脈をうつ瞼のことを言っているのだろう。
少しだが、少女の表情が柔らかくなった。

「…まもることは、じぶんがこわされても、まもること?」

「…そう、だな」

どれだけ傷を負っても。
どれだけ恨みを買うことになっても。
自分の信じたものを守る。

…それが、私の『守る』ということ。

「…じゃあ、おまえがまもるために、アルも、おまえのこところさない」

『守る』ということへの違いはある。
それでも、私もこの少女…アルも、大事なものを守りたいことに違いはない。
彼女の心の内にある思いも、私は守ってやりたいと思った。

「…そうか」

アルの言葉を受けても、不器用な言葉しか返せないが…せめて、交流が回復した今は、お互いの守りたいもののために。




……………

うおおお打てた!!!!!
ちょっと支離滅裂すぎる気もしますが、これでタリスの死亡フラグを!折った!!
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電気蜘蛛は毒蛇の夢を見るか?
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