アフターまだまだ続いてました!
結婚後のヒムタリの、とある一夜のお話。
こちら↓
http://natsunosoda.kakuren-bo.com/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/orion
から始まるイロさんのSSを読まないとぶっちゃけ何のことかわからないと思うので、まずはこちらからお読みください。
あと、わたしの方のこちら↓
http://poisonlightning.or-hell.com/ss%EF%BC%9Atarice/%E3%80%90%E6%B5%81%E8%A1%80%E6%8F%8F%E5%86%99%E6%B3%A8%E6%84%8F%E5%A0%B1%E3%80%91%E9%AE%AE%E8%A1%80%E3%81%AB%E3%80%81%E6%98%A0%E3%82%8B
のSSも読んでおくとさらにわかりやすいかもしれない。
【CAUTION!!】
このSSそのものはただのヒムタリですが、リンク先全て暴力表現注意です!
では、追記から本編をどうぞ。
結婚後のヒムタリの、とある一夜のお話。
こちら↓
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あと、わたしの方のこちら↓
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のSSも読んでおくとさらにわかりやすいかもしれない。
【CAUTION!!】
このSSそのものはただのヒムタリですが、リンク先全て暴力表現注意です!
では、追記から本編をどうぞ。
「………ん…」
ある夜のこと。
外の空気の冷たさにふと目を覚ますと、隣で寝ていたはずのヒムカがいない。
やはり途中で目を覚ましたのだろうか。
それが気になるのもあったが、一度目が覚めてしまうとなかなか寝付けず、リビングへ出て温かい紅茶でも飲んでから寝ようと思い、リビングへ向かった。
「…ん、ごめん、起こしちゃった?」
「起きてたのか…いや、大丈夫だ…これから紅茶でも入れようと思うが…お前もどうだ?」
「いいの?じゃあ一杯貰おうかな」
…リビングには既に起きていたヒムカがいた。
どうやら寝付けないのは同じらしく、二人分の紅茶を入れてテーブルに置いた。
一口紅茶に口をつけると、小さくため息をもらし、コトリ、とカップをテーブルに置いたヒムカが、不意に口を開いた。
「…あの、さ、タリス?ちょっとの間…俺の話につきあってもらっても、いいかな?」
改まって話とは珍しい。
私に落ち度がある云々ではないという前置きをしてから、ぽつりぽつりと言葉を吐き出す。
……………
「………。」
語られたのは、私が…いや、普通に人間らしい生活を送っている人間ならば、到底経験し得ないような、凄惨な過去。
どれだけの間、私は絶句していたのだろう。
吐きだされる言葉を一言一言、理解しては飲み込んで。
そのたびに生まれる、この締め付けられるような感覚は何だ。
いっそ涙のひとつでもこぼせたら楽だったのかもしれないが、それを求められているかといえば否であることは確定的に明らかで。
ただただ、つとめて何の表情も出さず、その言葉を聞いていた。
「…これで、俺の話は終わり。ごめんね、付き合わせて」
…あぁ、その表情は見たことがある。
「(笑いたくもないのに、笑う、あの)」
「…じゃ、いい感じに眠気も出てきたし、そろそろ寝ようかn…!!?」
「……待て…少し、私の話も聞け」
立ち上がろうとするヒムカをソファーに押さえつけるように、後ろから抱き締める。
…こういう時、私は力強い言葉なんて投げられない。
それでも。
…それでも私は…可能な限り、彼を支えたいと思う。
「…やっと、わかったよ」
「え?」
「…あの時、私に向けたぎこちない笑顔の意味も、言葉の意味も。それに…結婚するに当たって、お前が私の苗字をほしがった理由も、な」
これが全部じゃないのかもしれない。
それでも構わない。
少しでも、私に話してくれる覚悟ができたのなら、それだけで。
「そっか…けどさ、タリス?」
「何だ?」
「もし…俺がこのこと言うの、もっと早かったら……それでも、俺のことを選んでくれた?」
ゆっくりと目を伏せ、その問いへの答えを。
「…………愚問だな」
そのまま、抱き締める腕に力を込め、言葉をつづけた。
「…お前が自分の過去を打ち明けるのが早いか遅いかで、お前の歩いてきた道になんの違いがある?」
「………。」
「お前は、お前だろうが」
どんな道を歩いて来たとしても、目の前にいる彼に違いはない。
私の選んだ…私の愛した人であることに、違いなど。
「……ありがと」
「…同情するつもりはない…でも、もし耐えきれなくなったら…今みたいに話してくれたら、私は嬉しい」
私が知る前の彼が抱えてきた暗闇を垣間見て思う。
先の見えない中、どれほど手を伸ばしたら届くのかわからないままさまよい続けて。
いつしか、感情すらその暗闇に塗りつぶされて。
それでも進み続けて、やっと見つけた光の、そのほんのひとかけらでもいい。
それが、私であってくれたのなら。
「(……私は、これほど嬉しいことはないよ)」
そう思いながら、みたび、腕に力を込めた。
……………
そんなわけで、ヒムカさんの過去のお話を聞いた一夜のお話。
これから彼の人生のほんの少しの光にでもなれたら、わたしもタリスも幸せです。
ヒムカさんお借りです!!
ある夜のこと。
外の空気の冷たさにふと目を覚ますと、隣で寝ていたはずのヒムカがいない。
やはり途中で目を覚ましたのだろうか。
それが気になるのもあったが、一度目が覚めてしまうとなかなか寝付けず、リビングへ出て温かい紅茶でも飲んでから寝ようと思い、リビングへ向かった。
「…ん、ごめん、起こしちゃった?」
「起きてたのか…いや、大丈夫だ…これから紅茶でも入れようと思うが…お前もどうだ?」
「いいの?じゃあ一杯貰おうかな」
…リビングには既に起きていたヒムカがいた。
どうやら寝付けないのは同じらしく、二人分の紅茶を入れてテーブルに置いた。
一口紅茶に口をつけると、小さくため息をもらし、コトリ、とカップをテーブルに置いたヒムカが、不意に口を開いた。
「…あの、さ、タリス?ちょっとの間…俺の話につきあってもらっても、いいかな?」
改まって話とは珍しい。
私に落ち度がある云々ではないという前置きをしてから、ぽつりぽつりと言葉を吐き出す。
……………
「………。」
語られたのは、私が…いや、普通に人間らしい生活を送っている人間ならば、到底経験し得ないような、凄惨な過去。
どれだけの間、私は絶句していたのだろう。
吐きだされる言葉を一言一言、理解しては飲み込んで。
そのたびに生まれる、この締め付けられるような感覚は何だ。
いっそ涙のひとつでもこぼせたら楽だったのかもしれないが、それを求められているかといえば否であることは確定的に明らかで。
ただただ、つとめて何の表情も出さず、その言葉を聞いていた。
「…これで、俺の話は終わり。ごめんね、付き合わせて」
…あぁ、その表情は見たことがある。
「(笑いたくもないのに、笑う、あの)」
「…じゃ、いい感じに眠気も出てきたし、そろそろ寝ようかn…!!?」
「……待て…少し、私の話も聞け」
立ち上がろうとするヒムカをソファーに押さえつけるように、後ろから抱き締める。
…こういう時、私は力強い言葉なんて投げられない。
それでも。
…それでも私は…可能な限り、彼を支えたいと思う。
「…やっと、わかったよ」
「え?」
「…あの時、私に向けたぎこちない笑顔の意味も、言葉の意味も。それに…結婚するに当たって、お前が私の苗字をほしがった理由も、な」
これが全部じゃないのかもしれない。
それでも構わない。
少しでも、私に話してくれる覚悟ができたのなら、それだけで。
「そっか…けどさ、タリス?」
「何だ?」
「もし…俺がこのこと言うの、もっと早かったら……それでも、俺のことを選んでくれた?」
ゆっくりと目を伏せ、その問いへの答えを。
「…………愚問だな」
そのまま、抱き締める腕に力を込め、言葉をつづけた。
「…お前が自分の過去を打ち明けるのが早いか遅いかで、お前の歩いてきた道になんの違いがある?」
「………。」
「お前は、お前だろうが」
どんな道を歩いて来たとしても、目の前にいる彼に違いはない。
私の選んだ…私の愛した人であることに、違いなど。
「……ありがと」
「…同情するつもりはない…でも、もし耐えきれなくなったら…今みたいに話してくれたら、私は嬉しい」
私が知る前の彼が抱えてきた暗闇を垣間見て思う。
先の見えない中、どれほど手を伸ばしたら届くのかわからないままさまよい続けて。
いつしか、感情すらその暗闇に塗りつぶされて。
それでも進み続けて、やっと見つけた光の、そのほんのひとかけらでもいい。
それが、私であってくれたのなら。
「(……私は、これほど嬉しいことはないよ)」
そう思いながら、みたび、腕に力を込めた。
……………
そんなわけで、ヒムカさんの過去のお話を聞いた一夜のお話。
これから彼の人生のほんの少しの光にでもなれたら、わたしもタリスも幸せです。
ヒムカさんお借りです!!
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